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2017/05/19

手すりの色 加齢・病気の視覚変化に配慮を

 年齢を重ねると、筋力低下や骨粗しょう症といった身体的変化に加え、感覚(五感)にも変化が現れます。

 例えば、日常で最も使う感覚とされる視覚。視力が落ちるほか、全体的に黄色がかって見えたり、かすんで見えたりなどの症状も出てきます。高齢でも快適に暮らすには、こうした変化を意識し、適切に対応することが大切です。

 先日、膝の具合が悪く歩行に問題を抱える80代男性の家で、廊下に付ける手すりの場所選びをしました。廊下は窓がなくて外から光が入らない上、壁の色も暗く、明かりをつけても薄暗い状態でした。50歳の私は照明の光で十分見えるのですが、目を治療中だったその男性は、周囲がよく見え ないようでした。

 そこで、白っぽい色の手すりを選んで、壁との色の違いを際立たせました。すると、ぼんやりとしか見えなくても、色が違うため手すりの位置が分かり、確実に握れるようになりました。

 手すりが目立たないよう、壁と調和した色を好む人もいますが、高齢者には色の濃淡がはっきり違う方が、認識しやすいことも多いようです。見た目も大切ですが、利用者の見え方に配慮が必要です。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成29年4月8日版転載)