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2020/10/20

「きょういく」と「きょうよう」 身近な集いの場探して

 高齢者の健康には「きょういく」と「きょうよう」が大切だと言われています。「きょういく」とは「今日、行くところがある」、「きょうよう」とは「今日、用がある」という意味です。健康維持には体力だけでなく、出かける場所や役割、楽しみが大切だということです。

 最近は健康づくり(介護予防)のために、身近な公民館で近所の人が集まって体操する教室が盛んですが、参加される人の多くは体操だけが目的でなく、参加者同士の会話を楽しみにされています。

 体操教室以外にも、社会福祉協議会などが支援しているサロン活動や、同じ趣味を持つ人が集う趣味の会、顔なじみが集う井戸端会議など、出掛ける場所や役割、楽しみのある場は探せばたくさんあります。

 高齢になると行動範囲も小さくなり、生活も閉じこもりがちになります。「デイサービスに行く」だけでなく、身近な場所にある「きょういく」「きょうよう」を探してみてはいかがでしょうか。地域の集いの場の情報については、社会福祉協議会や地域包括支援センターにご相談ください。

 (但馬長寿の郷 理学療法士)

 (神戸新聞 令和2年9月19日転載)