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2020/01/29

冬の屋内での過ごし方 暖房と照明で動きやすさを

 冬に高齢者宅を訪問すると、暗く寒い部屋の中で、たくさん着込み、暖房はこたつだけというところが少なくありません。そのような人は異口同音に「冬はこたつのお守りで、あまり動きません」と言います。みなさんはいかがですか?

 年齢を問わず、冬は家に閉じこもりがちになります。特に高齢者は、雪や路面凍結などによる転倒を避けるため外出を控える人が多いようです。そのような中、屋内が寒いと体の動きが鈍くなり、動くこと自体が面倒になるため、活動量は大きく減少します。

 介護予防の観点からも、冬こそ、できるだけ動きやすい屋内環境を整えることが重要です。注意点の一つ目は、部屋全体を暖めること。「寒い」と感じない温度を保ちましょう。厚着の必要がなく、動きやすくなります。二つ目は、部屋を明るくすること。明るいと視野が広がり、つまずき予防にも効果があります。

 外出を控えざるを得ないとしても、屋内での活動まで減少させてはいけません。暖房と照明で動きやすい環境をつくりましょう。冬の過ごし方が春以降に大きく影響します。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和2年1月11日転載)