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2020/07/10

移動用リフト 痛み与えず安心して介助

 現在、介護の分野では、介護される人と介護する人、両者の身体を守るために「持ち上げない、引きずらない介護」が推奨されています。具体的には、福祉用具を活用して「滑らせる、つり上げる」などの方法で介助を行います。今回は、自力で座ることが難しい人をベッドから車いすなどへつり上げて移動する「移動用リフト」を紹介します。

 自力で座ることが難しい人を移動させる介助は1人では難しく、2人で持ち上げる場合が多くなります。その際、脇や膝裏を抱えて持ち上げるため、そこが強く圧迫されて痛みが生じます。また、介護者も腰や膝を痛めることにつながります。

 移動用リフトは、介護される人をリフト用シートでハンモックのように包み込んでつり上げるので、安心して楽に移動でき、痛みもありません。慣れると操作も簡単で、介護者の負担を大幅に減らせます。抵抗を感じる人もいますが、互いの身体のことを考え、安心して暮らしていくためには非常に有効です。但馬長寿の郷では使い方の練習もできますので、担当のケアマネジャーに相談してみてください。

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和2年6月27日転載)