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2017/09/26

高齢者の見守り 最新機器で緊急事態に対応

 1人暮らしの高齢者の中には、「体調の急変やけがなど、万一の時はどうしたらいいのか」といった不安を持つ方が多くいます。その不安は本人だけでなく、離れて暮らす家族にとっても同じでしょう。

 体調不良や転倒で動けなくなった際、助けを呼べないという事態はまず避けなければなりません。現在は新しい技術を使った通報システムが普及し、さまざまな手段で緊急事態を知らせることができます。

 例えば、センサーを使った通報システムでは、毎日出入りする居間やトイレに動きを感知する装置を取り付け、人の出入りが全くない場合や、人はいるのに動きがない場合、家族らに連絡が届くようになっています。また、電気やガスなどの使用量に異変があれば通報するものもあります。

 センサー以外にも、本人がボタンを押すと家族や警備会社などに知らせる装置や、室内に設置し、遠隔から暮らしぶりを確認できるカメラも。衛生利用測位システム(GPS)を生かした例では、居場所がすぐ分かるよう、高齢者の靴の中に発信器を入れるケースもあります。

 介護保険でレンタルできる機器も多いので、高齢者らの見守りでお悩みの方は、地域包括支援センターにご相談ください。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成29年9月9日版転載)