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2018/04/27

フレイルとは 心身の衰え 予兆見逃さず

 「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか?「虚弱」という意味で、「健康とはいえないが介護が必要でもなく、健康と要介護状態の中間の状態」のことです。

 「フレイルの人」は健康な人に比べ、2年後の生活に何らかの支障が出る人が7.6倍も多いとの報告があり、今、介護予防の分野で注目されています。

 フレイルは知らず知らずのうちに進むので自覚しにくく、また「年のせい」にして見過ごされやすいのが特徴です。そのため予兆に早く気付き、正しく予防、治療することが重要です。

 但馬長寿の郷では、フレイルの人の特徴を探るため、但馬在住の高齢者860人を調査しました。

 その結果、フレイルの人には、つまづきやすくなった▽目が見えにくくなった▽食べる量が減った▽半年で体重が3㌔以上減った▽近所付き合いや趣味・楽しみがない▽地域活動やボランティア活動に消極的▽気持ちが落ち込み、家の中にいることが増えた―などの特徴がありました。

 該当することが一つでもあれば、フレイルかもしれません。まずは、その予兆がないか生活を振り返ってみましょう。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成30年4月21日版転載)