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2018/01/22

夜間のトイレ 「ポータブル」使い安眠確保

 先日、80代後半のご夫妻から、夜間のトイレについて相談を受けました。

 ご主人は足が不自由で、要介護認定を受けており、家では手すりを使って何とか歩けるくらい。非常に体調管理に気を配られる方で、最近は脱水症状予防のため、寝る前にしっかり水分補給をするようにしていました。

 しかし寝る前に水分をたくさん取ると、夜中にトイレへ行きたくなります。トイレまで時間を掛けて歩いていく間に目がさえてしまい、布団に戻っても寝付きが悪くなってしまうことに困っていました。隣で寝ている奥さんも、夫がトイレに行く時に転倒しないか気になり、よく眠れなかったそうです。

 そこで、夜間はポータブルトイレを使用するよう提案しました。就寝時、ベッド横にポータブルトイレを置けば、寝室から離れたトイレまで歩かずに済み、転倒する心配もなくなります。相談時、ご夫妻はおむつの使用も検討されましたが、ポータブルトイレのおかげで、2人ともおむつがなくても安心して眠れるようになりました。

 夜間のトイレ対策は、おむつだけではありません。夜間、暗い中でトイレまで歩くのに苦労したり、睡眠の妨げになったりしている人は、ポータブルトレイで解決できるかもしれません。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成30年1月13日版転載)