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2019/11/05

手すり設置のポイント(下) 日常動作確認し場所決定

 今回は、手すりを設置する際の注意点を説明します。設置希望が多いのは、風呂やトイレ、廊下、階段など転倒しやすい場所、立ち上がりや移動が困難な場所です。これらの場所以外にも、本人にしか分からない手すりが必要な場所があります。

 例えば、敷居などわずかな段差でもよくつまずく場所や、ドアを開ける際にドアにつられて転びそうになる場所などです。人それぞれ体の状態や動き方が異なるため、手すりをつける場所や位置も当然違ってきます。

 本人に合う手すりを設置するには、普段よく通る場所▽手をつき、体を支えている場所▽移動などで不安を感じる場所-を確認することが大切です。

 介護保険の認定を受けていれば、手すり設置の補助制度があります。壁に設置できない場合には、床に置いて使用するタイプや、天井と床で固定する突っ張り棒タイプもあり、これらはレンタルも可能です。

 手すりは、住み慣れた家で自立した生活を継続するために不可欠です。改めて家族の方と一緒に日常の動作を振り返り、転ばぬ先の「手すり」の設置を検討してみませんか。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和元年10月26日転載)