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2018/07/13

生活環境の工夫 アイデアで問題を解決

 先日、奥さんと2人暮らしの80歳代の男性宅を訪問しました。この方は記憶力低下に加え、今自分がどこにいるのか分からなくなる症状があり、医師からアルツハイマー型認知症の診断を受けています。

 日中は一人でトイレに行けるのですが、夜、暗くなるとトイレの場所が分からなくなります。その都度、奥さんが付き添わなければなりませんでした。

 そこで、奥さんにお願いして、夜間だけトイレのドアを開放し、廊下とトイレに人感センサー付きライトを設置しました。トイレの場所と経路を分かるようにするためです。すると奥さんの助けがなくても、夜間に迷わずトイレに行けるようになりました。

 認知症が進行して認知機能が低下してくると、トイレ以外にも生活の中で、さまざまな支障が生じてきます。例えば、服薬管理もその一つです。しかし曜日や時間が分かるカレンダーを活用するなど、ちょっとした工夫で解決することが少なくありません。

 「今までできていたことができなくなった」など、生活上の困りごとがあれば、お住まいの市町の地域包括支援センターに相談してみてはいかがでしょうか?

(但馬長寿の郷 作業療法士)

(神戸新聞 平成30年7月7日版転載)