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2022/10/21

夏の食欲不振対策 ビタミンなど多く含む食材を

 2019年の「国民健康・栄養調査」によると、65歳以上の男性の12.4%、女性の20.7%が低栄養傾向です。低栄養に陥る原因は、味覚や嗅覚の衰え▽かむ力の低下▽病気や薬の副作用―などですが、高齢期には食事量が減るために起こるようです。

 もともと高齢になると低栄養に陥るリスクがあることに加え、夏場は「夏バテ」による食欲不振が懸念されます。暑くなるとあっさりしたものが好まれますが、タンパク質やビタミン、ミネラルを多く含む食材を取るようにしましょう。

 オクラ、パプリカなどの夏野菜は、汗とともに失われやすいビタミンやミネラルを多く含み、豚肉やゴマなどに含まれるビタミンB₁は疲労回復を促します。これらの食材をそうめんやおみそ汁に加えることをお勧めします。また、果物にふうまれるクエン酸も疲労回復を促すため、間食にお勧めです。

 夏場に体重が2~3キロ以上低下すると要注意。どうしても調理が難しい場合は、薬局やドラッグストアで購入できる市販の栄養補助食品でタンパク質や各種ビタミン、ミネラルを補充するようにしましょう。

  (但馬長寿の郷 理学療法士)  (令和4年8月20日 神戸新聞転載)